
貧血が起こるメカニズムを知れば、貧血を起こしにくい体にすることができます。
目次
鉄の種類

貯蔵鉄(フェリチン):主に肝臓に貯蔵される鉄で、アポフェリチンが鉄と結合し、「フェリチン」という状態で保存されています。
血清鉄:鉄が利用されるために、貯蔵鉄からトランスフェリンという運搬体に鉄が結合し、活用場所まで運搬されます。
ヘモグロビン:「鉄+ヘム+グロビン」からなるタンパク質で、酸素の運搬に利用されます。
貧血になるまでの流れ

ヘモグロビンの鉄が減った場合、貯蔵鉄から鉄を供給しヘモグロビンを作るため、すぐには貧血になりません。
補充元の貯蔵鉄が欠乏すると、赤血球のヘモグロビンが作れなくなり、貧血になります。
鉄が補充される流れ
鉄剤を摂取すると、鉄によって赤血球のヘモグロビンが優先的に生成されます。
貧血症状は、赤血球の鉄が補充されれば回復しますが、貯蔵鉄が補充されなければ、また貧血を繰り返してしまう恐れがあります。
どのくらい続ければ良いのか?
通常、鉄欠乏による貧血では、
ヘモグロビンの正常化には、6〜8週間かかります。
貯蔵鉄(フェリチン)が完全に正常化するには、3〜4ヶ月、貧血の程度によっては半年ほどかかります。
体内の鉄が補充されているかは、血液検査で「ヘモグロビン濃度」「総鉄結合能」「血清フェリチン」を調べることで把握できますので、貧血を繰り返す方は、一度病院に行くことをお勧めします。
鉄の吸収

鉄は、簡単には吸収されず、小腸に鉄を通す専用のトンネルがあります。
そのトンネルは、Fe2+を通すような設計になっているので、
Fe3+はFe2+に変換されてから吸収されます。
つまり、鉄はFe2+の状態でしか吸収されません。
Fe3+の状態の鉄は、ビタミンCなどによって還元されFe2+の状態にしてから吸収されます。
市販の貧血薬

エミネトン | マスチゲン錠 | |
1回量 | 2〜3錠 | 1錠 |
1日 | 2回 | 1錠 |
服用時間 | 食後 | 食後 |
成分 | 1日最大量 | 1日最大量 |
フマル酸第一鉄 | 540mg | |
溶性ピロリン酸第二鉄 | 79.5mg | |
シアノコバラミン | 60µg | 50µg |
葉酸 | 6mg | 1mg |
ビタミンB6 | 18mg | |
ビタミンC | 360mg | 50mg |
ビタミンE酢酸エステル | 30mg | 10mg |
硫酸コバルト | 0.9mg | |
硫酸銅 | 2.1mg | |
硫酸マンガン | 0.3mg | |
銅クロロフィリンカリウム | 9.96mg | |
銅クロロフィリンナトリウム | 9.96mg |
「エミネトン」の特徴
鉄の種類:Fe2+(第一鉄:2価)
鉄の量:540mg(鉄として180mg)、1錠中では約30mg
服用回数:1日2回
成分:胃腸の負担を減らす「銅クロロフィリンカリウム」、「銅クロロフィリンナトリウム」が配合。
その他:状態に合わせて服用量を調節できる。
「マスチゲン錠」の特徴
鉄の種類:Fe3+(第二鉄:3価)
鉄の量:79.5mg(鉄として10mg)
服用回数:1日1回
容量:買いやすい14日分がある
最後に一言

レバーやイワシには、鉄分が多く含まれていますので、食事からの摂取も心がけることをおすすめします。
また、貧血に似た別の疾患も多々ありますので、症状が改善されない、繰り返す場合は医師に受診することをおすすめします。
参考: